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なすのさんとネギの、
切っても切れない関係

 

私の知り合いに、なすのさんという人がいます。その人は、今は大人で、会社に勤めています。ネギは、長ネギも玉ネギも、大キライです。

なすのさんは、保育園時代、「全部給食を食べおわるまで、昼休みに外であそんじゃいけません!!」と言われて、一生懸命ネギを食べたけど、すんごい嫌な味がして、鼻をつまんで目もつぶって、ありとあらゆる工夫をしたけどやっぱり食べられなかったそうです。昼休みに遊べたのは、たまたま長ネギも玉ネギも材料として使われていなかった3回だけだったそうです。

大人になったなすのさんは、「食わず嫌いなのかも?」と思い、ネギを焼いたり炒めたり煮たり揚げたり、生とか細かく切るとか、いろいろやってみて、やっぱりキライだと言います。 私は、そこまでやってもキライなら、ネギ食べないと死ぬってわけでもないし、いいんじゃない、と思います。

飲み屋で、鳥わさを頼んだら必ず、「頼んでないネギが来たからあげる」と言うし、突き出しの和え物の中の極小の刻み玉ネギを見つけだして、「ネギが入っているからイヤだ、あげる」と言うので、ありがたくいただきます。 ちなみに、「鴨がネギしょってきたらどうするの?」と聞いたら、「鴨だけ来ていただいて、ネギには丁重にお断りして帰っていただく」そうです。

私はむしろ、なすのさんがネギをそれだけ嫌えるパワーと、他のモノにまぎれた1mm四方のネギを見つけだすネギアンテナの鋭さと、そこまで嫌いなのにほんとにキライかいろいろ試してみる研究心に感心します。もう、ネギもそこまで嫌われたら本望だなと。そして私はわりとネギが好きなので、一緒に食事をすると、ネギが美味しくいっぱい食べられて、いい思いができます。

なすのさんは、頭がいいです。 「ネギを食べると頭がよくなる」と今も昔も言われているようですが、とりあえずなすのさんにかぎっては、ネギが食べられなくて頭がよくなった気がします。